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「狛江の家Ⅱ」についてのコメント
□周辺環境と敷地条件 東京都と神奈川県の県境を流れる多摩川に望むこの敷地は、水害の恐れを除けば大変景観に恵まれたリゾート感のするところである。 長所と短所とは常に裏腹の関係にあるが、風が一年中吹いているため、遮熱さえ気をつければ人工的なクーラーの必要のないところといえる。ただし強すぎる風を制御する方法が必要となる。これに対しては、採光とプライバシーを重視して採用した中庭が最も有効な制御スペースとして機能すると考えている。 敷地は現状より60センチほど重上げし、少しでも水害からの影響を少なくし、日照条件を向上するようつとめた。 □平面計画 限られた面積に、生活の多様な場を、室内と室外にとらわれることなく自由に展開した。そのため屋外空間の比重が非常に高くなっている。中庭、2階ベランダ、3階屋上などである。 とくに階段については、広さと採光と通風と上下の一体感を提供する空間として家の中心に配置した。 □断面計画 OMソーラーの採用は施主の基本的な希望であった。しかし、多摩川に大きく開き、光の変化を享受するためには、南に大きく開いた北勾配の屋根が欲しかった。太陽熱利用と矛盾するこの条件に対しての答えが、ベランダに屋根をかけ、そこにソーラーコレクターを設置するアイデアを生んだ。 □立面計画 2階ベランダ、ソーラーコレクター、3階屋上、そして開放的な水回り、という贅沢な希望がそのまま外観 を作り出していった。 □内装計画 大きくは、艶消しの吹き付け塗装によって、光を映し出す空間を重視した。そして、手の届くところには、無垢板を使い時間の経過が美へとつながることを考えている。 施主自身が、写真家であり夫人ともども感性を持つ方々であったため、照明器具、金物、タイル、家具など施主が選んだものも多い。 □設備計画 OMソーラーを中心に組み立てているが、2階リビングのため、補助熱源として2階には給湯による床暖房が設置されている。またそのリビングには、暖炉の代わりになる火の見える石油ストーブも設置した。OMソーラーの主な暖房範囲は、1階部分であるためである。
by h.maruya
| 2007-04-28 09:40
| ♥作品28和泉多摩川の家
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