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Kさんの家/新座の家
福祉事務所の相談員という職業に就くKさんとの出会いは、私が長年練馬区の図書館づくりに携わる中で知り合った自治体職員の知人が、Kさんであったことから生まれた。 敷地は、これまで親の代から暮らされていた古家を立て替えての新築であった。周辺も、同じような建て替え期を迎えているような分譲地であり、伺ったときにも既に数カ所の現場を見ることができた。 □ゆったりとした家族の関係 初めてお訪ねして初めに感じたことは、ご主人、奥様、そして当時小学校5年生だったご長男。この3人の関係が、それぞれの独立した生活時間と空間を持っているような気がして、独特の家族の雰囲気を感じた。また、子供が一人っ子ということもあるがとても静かな方々で、生活空間そのものに対しても、健康と穏やかな調和を望んでいることも同時に感じとれた。 健康というところから、建材についてもできるだけ自然素材や健康素材であること。そして空気調和については、外気採り入れと太陽熱を利用する「OMソーラー」の採用をすでに決められていた。 □ピアノの先生である奥様の空間 奥様にとっての仕事場であり、ライフワークであるピアノの世界には、二つの楽器があった。一つはグランドピアノである。 これは生徒の練習の場の主人公であり、家全体に及ぼす影響も大きいため、住宅機能としては連続させるものの、防音室としては如何に独立させるかという考えで進めて行った。 もう一つ大変素敵な楽器の存在があった。それは、ハープシコードである。これは、工芸品でもあり、音量も小さいことから、吹き抜け空間の2階部分に置かせていただいた。むしろ建物全体が楽器であった方がよいとの考えからでもあった。 □ご主人の空間は読書と思索の場 哲学の研究家であるご主人の空間は、書庫が一番大切であった。その重量ということもあって、ご主人の場は、ピアノ室と同様に1階へ配置することが妥当と考えた。つまり一階のピアノ室と書斎の間に家族室としてのLDがあることになり、音響的にも、家族のコミュニケーションとしても最適であると考えられた。 結局LDKを挟んで、ピアノ室、そして書斎が1階を占め、2階には、ご夫婦の寝室と子供室がLDの吹き抜けを間に配置するものとなった。 □ピアノ室を独立させる 家全体の作り方としては、ピアノ室に対する防音効果を最大限に生かすため、できる限り他の部分と切り離すことであり、そのために上階に他室をつくらず、さらに隣室もつくらない方向で間取りを決めていった。また、玄関については、一般客や家族の出入りとピアノ教室の生徒の出入りとを分離する方法として、玄関の仕掛けを工夫している。 この玄関はバリアフリーを意識し、敷地に恵まれていたことも幸いして、長いスロープでアプローチできるようにしている。 玄関扉を開けて土間に立つと、正面には壁があり、左へ行くと居間に進み、右に行くとピアノ室か台所へと続いている。 これは限られた面積の中で少しでも動線の分離を計ろうと工夫したものである。 □ピアノ室の音響 外部に対しては防音、内部に対してはよりよい音響づくりがピアノ室への設計姿勢である。建設途中、隣家のご主人から、ピアノ室の防音性能に対して説明が欲しいという主旨の問い合わせがあった。 それまでの家とは違い、その東側の家に接してピアノ室を配置したことからの心配の声であった。これに対して、設計の内容が隣家に対する配慮を十分しているものであることを説明し、あとは出来上がってから評価していただくことにしていただいた。しかし設計者としては、防音のためだからといって窓をなくし、密閉するようなことはしたくなかった。むしろ気持ちよくするため音の心配の比較的少ない高窓を二カ所取るようにして密室感の少ない部屋であるようにした。それが気持ちよくピアノが弾けることに繋がると理解したからである。建材については、壁を土壁とし、とくに調湿機能の優れた珪藻土を使用した。 □吹き抜けを囲む主寝室と子供室 吹き抜けとなっているリビングは、家族の溜まり場であり、それぞれの個室をつなぐ通路としての空間でもある。この家ではそれぞれの個室は、直接接することなく、必ず、他の機能をもった空間を介して隣り合っている。そのために大変独立性の高い感覚をもつ。家族と家族が自分自身の意識によって、他の家族と交流をもつこともできるし、そうでないときには、安心して孤立することも出来るのである。 このことはそれぞれの家族の状況によって答えが異なるが、Tさんの家では、こうしたあり方がよいと思えた。「つかず離れず」の関係が、適度な家族の絆をつくっていくのである。 ご主人は、クラシック好きのオーディオマニアといっても良い。そのオーディオルームは居間が兼ねる。食事、飲茶、音楽鑑賞、TV鑑賞、そして接客がこの居間で行われる。全ての家族共通の行為がここで行われると考えて良い。また、吹き抜けの橋のような渡り廊下にはハープシコードが置かれている。一階にあるLDの空間に、この橋が光と影をつくり出し、奥行きと楽しさのあるものとしている。そんな仕掛けのある家の中の「橋」にハープシコードは載っている。それが演奏されたときには、このLDが楽器のようになって音を伝える。 □狭くても北側に庭をもつことでさらに広がる南の庭 東京の住宅としては大変恵まれた敷地面積であり、南側の庭も十分とれている。しかし、一方向だけに向いた家を造ってしまっては、いくら広い南の庭があったとしても以外に狭い感覚が残ることが多い。大切なことは、建物で影になってしまった敷地の部分を、少しずつ見せることで、見る者に敷地全体を広く感じさせることである。その心は、坪庭の心といっても良いかもしれない。継ぎ合わせの庭が、以外にも実際よりはるかに広い敷地を想像させるのである。借景も生かせればなおさらのことといえる。 TさんのLDには、南側は当然であるが、北側にも掃き出しの窓をもち、夏には床面を撫でる風が得られる。またこの北側の窓の外には、木製の壁をつくり、隣家の目を気にせずに、開け放しの空間を楽しむことが出来る。植木が植えられるほど空いているわけではないが、鉢植えのものなら様々に表現できる。 □奥様の第二の宝、キッチン ピアノ室は奥様の第一の宝、そして第二の宝はキッチンと洗濯場という水回り。 このキッチン一見普通に見えるのだが、良く見てみると、なかなかのアイデアもの。シンクの前には、専用の洗浄用具の入るステンレス棚がある。洗剤、たわし、スポンジなどシンク巾のもの。シンクの上には二段の水切りパイプ棚。シンクの脇には45センチ巾の食器洗浄機と盆立て。その脇にはさらにオープンの鍋用棚。オーブンレンジの脇には調味料入れ、レンジトップの脇にはフライパン掛けのパイプが壁面に付いている。 反対側の配膳スペースには、炊飯器の載る分だけ、カウンタートップが独立して手前に引けるスライド式の台となっている。これであれば炊飯器を使うときには、少し引き出して湯気が釣り戸棚で邪魔されなくなる。オーブントースターも目の位置に吊ることでカウンターを少しでも空けておけることになる。そしてさらに細かい工夫は、巾木が引き出しになっていることである。
by h.maruya
| 2007-05-04 00:56
| ♥作品45新座の家
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